噴火・潮吹きの定理

ポケモン対戦をいかにシンプルにできるか

【全国ダブル】シャワーノイズ【シンクロノイズ軸】

・構築の経緯

 

火力のある全体技を探していたところ、「シンクロノイズ」という技を発見。エスパータイプの威力120全体技で、命中率は100、対象は自分以外。「自分と同じタイプのポケモンにしか効かない」という妙な制限がある。

 

この技について、

・サイコフィールド下でさえあれば、

・天候や体力、いかくなどに関わらず火力が安定し、

・デメリットや命中不安にも悩まされない、

・最大火力の技

であり、考察する価値があるではと考えた(「妙な制限」については一度目をつぶることとした)。よってシンクロノイズについて理解を深めるためパーティーを組んだ。

 

 

シンクロノイズの一番の利点は、上述の通り威力120という火力の高さなので、火力を徹底的に上げて使用することを決めた。そのためサイコフィールドを張れるカプテテフをまず採用。シンクロノイズ使いのこだわりメガネ持ちも決定。

 

次に「自分と同じタイプのポケモンにしか効かない」制限をクリアするため、相手のタイプを変えることを決定。「みずびたし」「もりののろい」「ハロウィン」のいずれかを使う。

 

これによりシンクロノイズ使いは「みず」「くさ」「ゴースト」のいずれかのタイプを持つ必要がある。該当するのは「シャワーズ」「ゴルダック」「ハギギシリ」「リーフィア」。ここで特攻が低いリーフィアを除外すると、残りは水タイプなので、「みずびたし」の使用が決定。

 

次にみずびたし要因を考える。味方のシンクロノイズを被弾したくないので、「水タイプ以外」または「テレパシー持ち」で検索したところ、ドーブルルリリ2体のみが該当した(カプレヒレのテレパシーは未解禁)。必然的に採用。

 

素早さの関係について、みずびたし→シンクロノイズの順番で使用したい。素早さが極端に遅いルリリS種族値20)に合わせる形でトリックルームの採用が決定。シンクロノイズ使い「シャワーズ」「ゴルダック」「ハギギシリ」のうち、一番遅くある程度火力のあるシャワーズの採用が決定した。

 

 のこり2体は見せポケとした。ミミッキュやカプブルルに強そうに見えるため、ボックスにいたクロバットヒードランを採用してパーティーが完成。

 

 大まかな方針として、

・初手でカプテテフがサイコフィールドを張りながらドーブルがトリルを展開。

・カプテテフが退場しつつドーブルルリリでみずびたし。

・その後シャワーズがシンクロノイズを打ちまくる。

ことになった。

 

・個別解説

 

シャワーズ@こだわりメガネ ちょすい 冷静HC振り少しB 最遅

236-/-82-177-113-63

シンクロノイズ/ねごと//

役割:後発トリルエース

シンクロノイズ構築のエース。今回の目的はシンクロノイズの火力のポテンシャルを知ることなので、火力を底上げすることだけを考えた。シンプルな運用のため紹介は短めで。

 

Lv43ドーブル@タスキ テクニシャン(マイペースがよさそう) のんきHB振り 最遅(素早さが最遅シャワーズ-1

139-/-82-/-55-62

トリックルーム/みずびたし/さいはい/ニードルガード

役割:先発トリル役&シャワーズルリリのサポート

トリックルームとみずびたしを覚える非水タイプという、この構築に最適なポケモンシャワーズより遅い必要があるためレベルを少し下げた。采配はシャワーズよりはルリリに使うことが多い。

 

ルリリ@ノーマルZ ちからもち 勇敢HA振り 最遅

157-69-70-/-60-22

恩返し/たきのぼり/みずびたし/守る

役割:後発トリルアタッカー+シャワーズのサポート

水浸し要因だがアタッカーも兼ねる。シャワーズの負担を減らすため、恩返しZまたは采配恩返しで1体倒してから水を撒く。たきのぼりミミッキュの化けの皮をはがすために採用(水浸し+シンクロノイズで化けの皮をはがすと、タイプがもとに戻ってしまう(フォルムチェンジ扱いのため))。恩返しZが素晴らしい(後述)。

 

カプ・テテフ@脱出ボタン サイコメイカー 臆病CS振り 最速

146-/-95-182-135-161

サイコショック/ムーンフォース/サイドチェンジ/守る

役割:先発トリルサポート+終盤の掃除役

サイコフィールドを張れる。ドーブルのトリルをサポートしつつ自分は場から離脱したいため、サイドチェンジ+脱出ボタン型を採用した。トリルが切れる終盤の掃除役もある程度できる。相手が初手で何をするかよくわからない場合は、ドーブルと合わせて初手守るから入ると、サイドチェンジすべきかどうかある程度判別できる。

 

残り2体は見せポケモンクロバットヒードラン

 

・選出

先発 カプテテフ+ドーブル

後発 ルリリシャワーズ

 

・結果

全国ダブル シーズン14 210敗 レート1400

勝率が悪いことそのものはあまり問題ではなく(だいたい想定通り)、プレイングの工夫による改善の余地も感じた。問題はそこではなかった(後述)。

 

・使用感

・非常に楽しい。例を挙げると、

シャワーズのシンクロノイズで耐久の低いポケモンを一掃できる

ルリリの恩返しZで耐久の低いポケモンを一掃できる

相手のみずびたしサンダーが隣のランドロス地震に等倍で巻き込まれる

相手のみずびたしメガガルーラの捨て身タックルをこちらのLv43ドーブルHP1残しで耐え、反動でメガガルーラがノックダウンする

相手のみずびたしドラピオンが黒いヘドロで自傷する

など。

 ・シャワーズがシンクロノイズを打ち始める前に1体倒しておくと勝つ可能性が高くなるように感じた。当たり前だがエースに負担をかけすぎないことは大事。

 ・トリックルーム下で守るを使用されると勝つ可能性はかなり低くなると感じた。当たり前だが守るの採用はトリル(や追い風)対策になる。

 

・致命的な欠陥

 

 構築を回している最中に、ペラップの眼鏡爆音波より火力が若干低いことに気がついてしまった。

 

冒頭で挙げた、

・サイコフィールド下で、

・天候や体力、いかくなどに関わらず火力が安定し、

・デメリットや命中不安にも悩まされない、

・最大火力の技

は実はシンクロノイズではなく爆音波なのか…?「あるタイプにだけ効かない技」の方が「あるタイプにしか効かない技」より火力が高くて良いのか…?

 

一度「ペラップの眼鏡爆音波」と「この構築のシンクロノイズ」を比較すると、シンクロノイズ側は

・岩、鋼、ゴーストタイプにも効く

・味方への負担がない

ねこだましに強い

・みずびたしに火力減衰など様々な利点がある。

等で有利。しかし上2つはペラップの相方を工夫することである程度対処可能だし、一番下は極論ペラップ側もみずびたしを使えばいいのである。決定的な差別化は難しそうだった。

 

・結論

 結局のところ、現状ではギミックに手数をかけても、最大でも他の技と同じくらいの(それ以下の)火力しか出せなさそうなので、実用化は難しそうだという結論に達した。

 シンクロノイズをうまく使えたよ、という人はぜひ連絡いただければと思います。

 

 

 

・少なくとも筆者ができること

1:Z技として使う

2:次世代での強化を待つ

 

・強化について

 技威力上昇そのものだけが強化ではない。シャワーズの火力が出なかった一番の要因は、タイプ不一致技だったことである。なので、「水エスパー」「草エスパー」「ゴーストエスパー」タイプの特殊アタッカーに新規習得者が出ても強化になる。スターミー、ヤドラン、ナッシー、ルナアーラあたりが候補か。

 

・余談1:エルレイドについて

単純にシンクロノイズで最も高い火力を出せるのはエルレイドではないかと考えている。タイプ一致で攻撃でき、相手の弱点を突けるのだ。

 ギミックを重ねたときの火力はすさまじく、

 

C極振りエルレイドのサイコフィールド眼鏡シンクロノイズ → H振り格闘アルセウス

ダメージ: 206246

割合: 90.7%108.3%

回数: 乱数1 (50%)

急所ダメージ: 312368

割合: 137.4%162.1%

 

 H振りアルセウスをも中乱数で倒せる。格闘タイプ版みずびたしの登場が待たれる。

 

・余談2 ルリリの恩返しZについて

 非常に楽しい。実機で見てほしい。

 

 これが、

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 こうなって、

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 こうなる。

: ルリリ Lv.50

: ガリザードンY Lv.50

ダメージ: 145172

割合: 94.1%111.6%

回数: 乱数1 (68.8%)

急所ダメージ: 219258

割合: 142.2%167.5%