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ポケモン対戦をいかにシンプルにできるか

【INC. Apr 2020】スタン構築で1体変更した時に考えたこと【草ロトム→エルフーン】

この記事について

 
2月と4月のINCでは似た構築で1体だけ変更ロトムエルフーン)して臨んだので、その過程を詳細にまとめたポケモンを変更する時の注意点が何か分かるかもしれない。
 
 

 


どんな構築?

バンギラスドリュウズ・ドラパルト・トゲキッスミロカロス・草ロトムのスタン構築。
 
 
いわゆるバンドリドラパキッス種族値が高く相性補完に優れた組み合わせ。サイクルを回して有利な対面を作って勝ちたい。
 
残り2体には、重めな水ロトムを見るロトム、バンドリが苦手な威嚇を対策するミロカロスを採用していた。
 
2月のINCで最高1700。


問題点

 
Q. S操作がすなかき(とキッスのダイジェット)のみで大丈夫?
A. ダメです
 
ドリュウズが落ちた後(or非選出)上から高火力で制圧される負け方を防ぎたい。要はS操作を入れたい。
 
案1:ゴチルゼルを採用しトリックルームを使う
 
ミロカロスから変更、勝ち気とトリックルームを1体でまかなう。
ガオガエンは依然重いので草ロトムも変更。ガオガエンに強いトリルアタッカーで草打点もあるネギガナイトを採用。
 
ただしスタン構築で2体変えると使い勝手が大きく変わる。いわゆる「2体の並び」でも、
バンドリドラパキッス&ゴチルゼル
バンドリドラパキッス&ネギガナイト
ゴチルゼル&ネギガナイト
の9通りの再考が必要。加えてトリルの扱い方も考える必要がありとても手間がかかる。
 
INCが近かったので次点の案。

案2:草ロトムのおにびをでんじは変更
 
ロトムのおにびを効果的に使えた試合がほとんどないことに気づき変更。これまでの並びを変えずにすむ。
 
ただ草ロトムが珠HCベースだったため、S操作をしたい相手(上からの高火力押し付け)に上から倒されると考え没。

案3:エルフーンを採用
 
上記のでんじは草ロトムならおいかぜエルフーンで良さそう。草打点を引き継ぎながらより便利なS操作技のおいかぜが使える。
 
とはいえもともとは珠HCロトム。草タイプとしてのサイクル参加や対水ロトムも任せたいが、エルフーンのやや低い種族値がどう出るか。
 
ロトムエルフーンに変更する場合、

他の5体との組み合わせはどうか
電気打点と耐性を捨てて大丈夫なのか
種族値の低さが響かないか

の考察が必要。クリアできれば採用することにした。
 

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他の5体との組み合わせ

 
バンギラス&草ロトム/エルフーン
バンギラス引きエルフーン格闘技を受けられる。またバンギラスが追い風下で最速リザードンを抜けるので、一部のリザ軸にも有利に出られそう。
バンギラス引き草ロトムでは鋼技を受けられる。
 
ドリュウズ&草ロトム/エルフーン
ドリュウズ引きエルフーン格闘技を受けられる。
ギャラドス・アーマーガアでは草ロトムの方が有利。
 
ドラパルト&草ロトム/エルフーン
S操作の即効性ではエルフーンが有利。相手がエルフーンウオノラゴンの場合、ドラパルト草ロトムだとこおりのキバで2体とも縛られる。
 
トゲキッス&草ロトム/エルフーン
相性補完的には鋼技を受けられる草ロトムの方が便利。対アーマーガアも草ロトムなら対抗手段になる。
 
ミロカロス&草ロトム/エルフーン
ミロカロスで見たい威嚇勢の一角ギャラドスは飛行技も草技も持っているため、草ロトムがいると安心。

バンドリドラパとの相性はエルフーンが良好。フェアリータイプとおいかぜが偉い。
一方電気タイプが消えた関係で、草タイプで対処できない対飛行・鋼について考える必要がある。
 

耐性変更と電気打点の消滅について


まずは耐性。草ロトムが半減に抑えエルフーンが等倍以上なのが鋼だけだが、「草ロトムで鋼を受けた」覚えがあまりない。ドリュウズミロカロスと鋼半減は2体いるので、大切に動けばあまり問題ないはず。
 
次に電気打点。ドラパルトが10まんボルトを持っており、構築内に最低限の電気打点(特に対ギャラドス)はある。また草が通らない対飛行タイプの多くにはバンドリの岩技で弱点をつける。
 
鋼飛行の両方を持つアーマーガアが重くなるように見えるが、アーマーガアはミロカロスで見ることができるので草ロトム(やドラパルト)に頼らなくても大丈夫そう。
 

種族値の低さ

 
エルフーン種族値で草ロトムと近い役割が持てる型は珠HCではないかと考察、ただ実戦でどうなるかは回さないとわからない。ランクマで少し試運転したところ、致命的な問題は感じなかった。
 
 
以上から珠HCエルフーンの採用を決定。バンドリドラパキッスミロ+エルフーンでINCへ。
 

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エルフーン単体について

 
 
エルフーンいのちのたま
ひかえめH236 C252 S20
164-*-105-141-95-139
エナジーボール/ムーンフォース/まもる/おいかぜ

準速水ロトム抜き
エナジーボールがH振りの水ロトムへ93~110.6%
ムーンフォースがH振りバンギラスへ81~95.7% 砂下でも53.1~63.8%
 
おいかぜ付き草ロトム。水ロトムキラーにしたいので、珠を持たせた上で火力を可能な限り伸ばした(まだ若干足りない)。
 
またスタン構築でサイクル参加(水・電気受け)が求められるので残りはほぼ耐久へ。
 
Sはわずかに振ると水ロトム抜きまで確保できる。
 
技はエナジーボール/おいかぜは確定。サイクルを回すスタンパなので切り返しのためまもるも採用。ねこだましカットでおいかぜも打ちやすい。
 
ラストは対面性能を高めるためムーンフォースを選択。ここで草ロトムと違う対格闘の役割を持つことになる。
 


その他のメンバー

ドリュウズじゃくてんほけん
いじっぱりH92A100B4D172S140
197-184-81-*-107-126
10まんばりき/アイアンヘッド/いわなだれ/まもる

ドリュウズのみ前回のINCから努力値配分変更。
弱点保険ドリュウズ。弱点ダイマックス技も1回は耐えるため動かしやすく、発動機会もバンギラスより遥かに多かった。
 

バンギラス@ラムのみ
いじっぱりH252A236S20
207-202-130-*-120-84
いわなだれ/かみくだく/かわらわり/まもる

ドリュウズじゃくてんほけんを渡したので、薄い催眠耐性をつけるためラムのみを持たせた。これ以外変更なし。
追い風下で最速リザードンを抜ける。
 

ドラパルト@こだわりメガネ
おくびょうCS252H4
りゅうせいぐん/シャドーボール/10まんボルト/かえんほうしゃ
 
前回INCと同じ。

ナットレイアイアント・ウオノラゴン等ドラパルトで見たいポケモンは多いが、草ロトムが抜けたためギャラドスがここに追加。より大事に扱いたい。
 
 
トゲキッス@ピントレンズ
おくびょうCS252H4
 
前回INCと同じ。
 
エアスラッシュ/マジカルシャイン/このゆびとまれ/まもる
バンドリの格闘耐性。エルフーンの加入で、トゲキッスが先に落ちてバンドリがローブシンに積められる展開になりづらくなるはず。
 

ミロカロス@たべのこし
ひかえめH252S100C156
 
前回INCと同じ。
 
だくりゅう/ワイドブレイカ/じこさいせい/まもる
ロトムが抜けドラパルトが過労気味なので、対アーマーガアも担当。ワイドブレイカを当てるとアーマーガアがミロカロスの攻撃を下げてくれるので、勝ち気で特攻が上がる。
 


選出

 
迷ったらバンドリドラパキッス。水ロトム等重い水タイプがいればエルフーン、威嚇がいればミロカロスを選出。基本方針は同じ。
 
以下エルフーン採用で選出するようになった初手。
 
ドリュウズミロカロス
リザードンピッピ軸アーマーガア入り。バンドリ対策にアーマーガアが高確率で初手ダイマックスしてくるので、ドリュウズのダイスチルでミロカロスのBを上げて粘りつつ、ミロカロスのワイドブレイカーで自分のCを上げて押し切る。水技が通っている相手にも。
 
エルフーンバンギラス
ヤミラミリザードン。両守る→おいかぜダイロックでリザードンの突破を目指す。
 
エルフーンドラパルト
エルフーンアイアントorウオノラゴン。ドラパルトで絶対に上を取る。スカーフっぽいヒヒダルマ入りにも。


結果


INC Apr. 2020 最高1714 最終1693
INC Feb.(最高1700)とほぼ同じ成績。
 
 

エルフーンの使用感

 
S操作(おいかぜ)を活用できたか→OK

上からの速攻系構築(エルフーンウオノラゴンヒヒダルマ)に危なげなく勝利できた試合があった。草ロトムから変更した当初の目的は果たせた。
 
 
草タイプとしてサイクルに参加できたか→OK

例えば対水ロトムについて、HP残り9割を削り切ったり、ひかりのかべ込みでHP7割ほどを倒したりなど。エルフーンに倒されると思っていない水ロトムに対して火力特化が刺さり有利に動けた。

また最後にHP2割のエルフーンが最後にとどめを刺して勝った試合もあり、H振りも正解。

想像以上に強かった。
 

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相手ラス1ガオガエンにとどめを刺すエルフーン
 
その他副産物として、バンドリキッスエルフーン選出、エルフーンで相手ローブシンを倒した試合など。
 


なぜ同じ成績だったか

 
ざっくりいうと、エルフーン/草ロトムに関係なく苦手な構築と多く当たった。
 
1:特殊高耐久の水タイプ入り
 
相手水タイプが水ロトムでない場合氷技を持てることが多く、草タイプでは弱点を突かれる。ダイマックスされるとエルフーンの草技も簡単に受けられてしまう。
 
特にサマヨミロ相手が厳しい。エルフーンのダイソウゲン+ドラパルトのメガネ10万程度ではダイマミロに簡単に受けられる。ドラパバンギでサマヨ集中倒す→キッスバンギで後続ミミッキュを怯ませてトリル阻止、がせいぜい。
 
 
タイプ受けによるサイクル戦をメインにしている上に格闘タイプがいない。
そのため、はらだいこを阻止する/倒す/受けきる、のどれも難しかった。

その他何をしてくるか分からない相手、有名だが個人的に見落としていた技(ギルガルドインファイト)、ガオガエン以外に水が通らない相手にミロカロスを選出し腐る、ダメージ感覚など。エルフーン/草ロトムに関係なく、対戦慣れの問題。
 


まとめ

 
スタン構築でポケモンを1体入れ替える場合の今回の考え方は以下の通り。
 
1:欲しい要素を決める(S操作)
2:引き継ぎたい要素を決める(サイクル維持・対水ロトム
3:抜ける要素を確認する(対飛行・鋼)
4:実戦で回す
5:確認。想定通りに動けばそのまま、うまく回らなければもとに戻す
6:無関係の問題(対サマヨミロ・カビゴン)を新しく見つけたら1に戻る。
 
当たり前かもしれないが、これを意識すれば「なんで構築にこのポケモンがいるんだ」みたいなことは避けられそうな気がする。