きっかけ
TLにどくのこなエルフーンの構築記事が流れてきた。
フェアリーなイメージのエルフーンがそんな直接的に毒々しいことするのか...?どくどくは没収済みでは...?そもそも自分に4倍弱点では...?
"自分に4倍弱点の技"は限られたポケモン(サイドンのように初代から謎の技範囲を誇るポケモン、ルナアーラのように設定上覚えざるを得ないポケモン)しか覚えない印象があったが、ひょっとすると案外ポピュラーなのかもしれない。
どのくらいのポケモンが自分に4倍弱点の技を覚えるか気になったので、数えてみた。
ルール
・同種のポケモンに対して使用すると4倍弱点を突くことになる技(ドサイドンのなみのり等)の個数をポケモンごとに数えた。
・冠の雪原時点(2020/12)で集計(ワタッコなどは数えない)。
・進化するポケモンは最終進化のみカウント(サイホーンとサイドンは数えずドサイドンのみ数える)。
・進化によってタイプが変わる場合は分けて考える(サナギラスとバンギラスは別々に数える、ヨーギラスは数えない)。
・特性が1種しかなく、タイプ相性に影響する場合は考慮(ヒートロトムのじめん技は数えない)
・補助技もカウント。
・タイプが変わる技は特別な条件がない状態でのタイプでカウント(ウェザーボールはノーマル技)。
・フォルムチェンジするポケモンはタイプが変わる場合別々にカウント(バドレックスの通常・白馬・黒馬など)。
・数える元データはポケモン徹底攻略様を使用させていただきました。
結果
技のタイプごとに順番に見ていく。
どく
1 エルフーン どくのこな
0 カプ・ブルル
草タイプのうち粉技を覚えるポケモンなので当然どくのこなも覚える、フェアリーでも関係ない、というポケモン。
じめん
9 セキタンザン
あなをほる すなじごく じならし じしん 10まんばりき だいちのちから まきびし どろかけ ねっさのだいち
8 ボスゴドラ
あなをほる すなじごく じならし じだんだ じしん だいちのちから 10まんばりき どろかけ
6 ヒードラン
だいちのちから あなをほる じだんだ じならし じしん ねっさのだいち
4 ツンデツンデ じならし じだんだ じしん 10まんばりき
2 エンニュート すなかけ どろかけ
きれいに2つのグループに分かれた。 洞窟など地面っぽいところに住んでそうないかついポケモンが地面技をたくさん覚える一方、そうでない無機質で電気寄りなポケモンはまったく覚えない。
そしてそのどちらでもないエンニュートは砂とか泥ぐらいなら扱える、という感じ。どろかけは剣盾でなぜか新規習得した。
かなり数が多いが、そもそも岩と地面はかなり概念が近しく、岩タイプが地面技を多く覚えるイメージもあるので、岩タイプ複合勢が数を稼ぐのは予想通り。
ただしタイプごとの技数はセキタンザンの9が最多ではない。まだ上がいる。
ひこう
1 ヘラクロス つばめがえし
1 フェローチェ とびはねる
聖剣士のなかではテラキオンだけがとびはねられない。見ればわかる エアスラッシュなら今作から聖剣士全員が覚えるようで、エアスラテラキオン構築も存在するとの噂。
羽があるのに飛行4倍の皆さんは何なんでしょう。ヘラクロスとか飛べそうだし。
むし
1 ダーテング シザークロス
1 ザルード とんぼがえり
1 通常バドレックス かふんだんご
0 カラマネロ, ナッシー
そもそも虫技が刺さる相手があまりいない。バドレックスはどの姿でもかふんだんごを使えるので、黒馬なら味方サポート兼ダイワームとして使えるかも。
花粉はそもそも植物の生殖に使われるものだが、バドレックス(とミュウとセレビィ)は性別が無い。おそらくアブリボンみたいに集めて食べたりしてるんだと思う。
いわ
3 ガラルヒヒダルマ禅 いわなだれ ストーンエッジ がんせきふうじ
2 フリーザー げんしのちから すなあらし
2 ファイヤー げんしのちから すなあらし
2 ホウオウ げんしのちから すなあらし
1 テッカニン すなあらし
1 ビークイン パワージェム
1 マルヤクデ ころがる
1 モスノウ ワイドガード
0 バタフリー, デリバード, ストライク, ウルガモス, ファイアロー
該当するポケモンが最も多く、いわ伎の通りの良さを感じる。いわなだれが単に相手をひるませるだけでなく、多くのポケモンに大ダメージを与えられるのも強さの一つかもしれない。
テッカニンがすなあらしを覚えるのは多分ツチニンの影響だが、そのツチニンは岩技をすなあらししか覚えない。岩技を覚えるイメージの強い地面タイプとしては例外的かも。
ヌケニンもすなあらしを覚えてしまう。
ゴースト
8 ルナアーラ
シャドーレイ ナイトヘッド シャドーボール あやしいひかり ゴーストダイブ シャドークロー たたりめ ポルターガイスト
5 黒馬バドレックス
アストラルビット たたりめ あやしいひかり シャドーボール ゴーストダイブ
唯一4倍弱点の技をタイプ一致で使えるうえになぜか全員伝説。覚える技の数ではなく火力で比較するとこのカテゴリがダントツになるので企画が没になった。
ウルトラサンムーンの伝説ありルール経験者なら、ルナアーラミラーの最速じゃんけんは1度は遭遇した(あるいは嫌なので回避した)覚えがあるはず。
技の数自体は一番多いルナアーラでも8でセキタンザンの9よりも少ない。伝説のタイプ一致技よりも不一致のレパートリーが広いセキタンザンがおかしいといえばおかしいのだが、まだ上がいる。
はがね
4 アマルルガ アイアンテール アイアンヘッド てっぺき ラスターカノン
2 メレシー てっぺき ジャイロボール
2 ディアンシー てっぺき ジャイロボール
長めのしっぽがあればとりあえずアイアンテールは使えるのではないか。ピカチュウもアブソルも使えるし。
ほのお
3 ゲノセクト ニトロチャージ ブレイズキック かえんほうしゃ
1 ナットレイ にほんばれ
1 アローラサンドパン にほんばれ
1 ハッサム にほんばれ
0 ユキノオー, シュバルゴ, アイアント, モスノウ, カミツルギ
ゲノセクトの独壇場。今回は数に含めていないがテクノバスターをほのお技にすることもできる。
他のポケモンは進化前やカントーの姿からにほんばれを受け継いだ、とか草タイプだからにほんばれを覚える、みたいな感じなので、自分から積極的に火を吹くのはゲノセクトだけ。
3億年前に生息していた古代のむしポケモンがプラズマ団に改造されて生まれたので、必要な機能としてor趣味で後付けで炎が出せるようになった可能性がある。
ブレイズキックは映画配布個体の限定技(剣盾から一般個体にも解放)。虫の足から炎が出る改造、プラズマ団はなぜそんなことを...?
みず
4 ドサイドン なみのり ハイドロポンプ あまごい うずしお
2 サナギラス あまごい だくりゅう
1 セキタンザン ねっとう
0 イワーク
サイドン一族の印象が強すぎるが、実はそもそも水4倍が今剣盾にあまりいない。ゴローニャもゲンシグラードンもバクーダもいない。
サナギラスのだくりゅうって何...?
でんき
3 ギャラドス
でんじは 10まんボルト かみなり
上記のサイドンもそうだが、怪獣系ポケモンは妙に水・電気あたりの技範囲が広そう。
くさ
0 カジリガメ, イワーク, ナマズン, トリトドン, ドサイドン, サナギラス, オムスター, アバゴーラ
カブトプス一族のすいとるシリーズへの強いこだわりが感じられる。初代のカブトが最初にレベルアップで覚える技がすいとるだったり、初代ポケモンカードのカブトプスの闘エネルギー4つの大技としてすいとるが設定されていたり、と何かと印象的。
ちなみにすいとるは基本技、メガドレインはタマゴ技、ギガドレインはマシン技。自力で全部覚えるわけではなく妙に回りくどいところにすいとる系に対するカブトプスの奥ゆかしい姿勢が感じられる。
地味に何も覚えないポケモンの数が最多タイ(もう一つはこおり)。
こおり
6 カイリュー
れいとうパンチ こごえるかぜ あられ れいとうビーム ふぶき しろいきり
1 ジガルデ くろいきり
0 オンバーン, フライゴン, アローラナッシー, ボーマンダ, レックウザ, ガブリアス, ランドロス, フクスロー
多くのドラゴンたちがこおり技を敬遠する中カイリューが色々覚えている。実は進化前のハクリューの図鑑説明に天候操作に関する記述がとても多く(天気を変える力を持つ・古くからタガヤシスト農業を営む人々に崇められるなど)、あられやしろいきりはその影響と思われる。
冠から新しく登場した種族値の高いポケモンに刺さる傾向があるので、鎧環境よりは氷技が使われるようになりそう。
ジガルデは生態系を監視し、乱すものと戦い鎮めるので、このイメージが能力リセットのくろいきりとマッチしているのかも。
エスパー
1 ドクロッグ ねむる
何故ねむるがエスパー技なのか。
あく
9 黒馬バドレックス わるだくみ バークアウト しっぺがえし ダメおし かみくだく ちょうはつ あくのはどう イカサマ うっぷんばらし
つじぎり どろぼう なげつける あくのはどう ぶんまわす
1 ルナアーラ ナイトバースト
黒馬バドレックスが突如躍進。タイプ不一致技が一致技の2倍近くある。全てレイスポスの技でもある。レイスポスは確かに暴れ馬だし、バドレックス本体は悪技を出すときは多分馬の上で座ってるだけではないだろうか。
フェアリー
0 ゴロンダ, ズルズキン, サザンドラ, ジャラランガ, アクジキング, 一撃ウーラオス
誰も何も覚えない。
あく・ドラゴン・かくとうのどのタイプも比較的ごついイメージで、フェアリーに代表される柔らかさや癒しのイメージとは確かにあまりつながらない。
4倍弱点の技を覚えるかどうかは、タイプ間のイメージの近さが基準になっているのではないだろうか。
かくとう
10 タチフサグマ
クロスチョップ じごくぐるま カウンター リベンジ かわらわり きしかいせい インファイト ビルドアップ ボディプレス ファストガード
6 キリキザン
リベンジ かわらわり ローキック けたぐり きあいだま ファストガード
6 マニューラ
リベンジ かわらわり ローキック けたぐり きあいだま カウンター
6 バンギラス
リベンジ かわらわり けたぐり ばかぢから ボディプレス きあいだま
6 ボスゴドラ
かわらわり きあいだま ボディプレス けたぐり きしかいせい ばかぢから
2 ツンデツンデ ばかぢから ボディプレス
0 アマルルガ
一番多い。
その理由の1つにかくとうタイプの技のハードルの低さがある。例えばほのお技なら火を噴いたりまとったりしなければならないが、かくとうタイプは体を直接使うだけの技が多い。
かわらわりなら腕を強く振ることができれば覚える可能性は出てくるし、ボディプレスなら大きい体で相手にのしかかることができればOK。きあいだまに至っては"力を放出する"というよく分からない技なので、何か出せるポケモンなら覚えてもおかしくはない。
また武闘派が多いことも拍車をかけている。特にあくタイプはかくとうタイプと同様に体を使って相手に攻撃するポケモンや技が多い(じごくづき、どげざづき、DDラリアットなど)。先ほどのフェアリーとは対照的に、格闘弱点のポケモンは格闘タイプとイメージが比較的近いと言える。
今回最多の技数10を記録したタチフサグマは、
・2足歩行で体を動かしやすい
・武闘派
に加え
・もともと器用(ノーマル技は27種、あく技は12種覚える)
という様々な要素が相まって物凄い数のタイプ不一致4倍弱点技を覚えることとなった。
(少し気になって比較用に調べたらギギギアルの覚えるタイプ一致の技は鋼のみ9種だった、ポケモン間の器用さ格差あんまりでは)
まとめ
タイプごとの4倍弱点の技数ランキング
10 タチフサグマのかくとう技
9 セキタンザンのじめん技
9 黒馬バドレックスのあく技
8 ボスゴドラのじめん技
8 ルナアーラのゴースト技
6 多数
ポケモンごとの4倍弱点の技数ランキング
14 ボスゴドラ(じめん8+かくとう6)
14 黒馬バドレックス(ゴースト5+あく9)
10 タチフサグマ(かくとう10)
10 セキタンザン(じめん9+みず1)
9 ルナアーラ(ゴースト8+あく1)
6 多数
2種のランキングでトップ5のメンバーは変わらず。タチフサグマ、セキタンザン、ボスゴドラ、ルナアーラ、黒馬バドレックスの5体が他のポケモンと比較して自分に4倍弱点の技を器用に扱えることが判明した。
タチフサグマ以外は4倍弱点のタイプを2つ持っているので、尚更タチフサグマの異質さが目立つ。
タイプごとの合計
39 かくとう
29 じめん
16 いわ
15 ゴースト
15 あく
10 こおり
9 はがね
7 みず
6 くさ, ほのお, ひこう
3 でんき, むし, どく
1 エスパー
0 フェアリー