構築の経緯
スマホゲーム「ポケモンマスターズ」の配布キャラとして「プラターヌ&ゼルネアス」が実装されたところからスタート。
実装時にあまりの強さに一躍話題となったのだが、その最大の強みはC6段階上昇フェアリーオーラムーンフォースではなく(これも強いが)、高耐久からのウッドホーン連打。
詳しい説明は省略するがウッドホーンの回復量がえげつなく、相手からの攻撃にゼルネアスの回復が追い付かないことがほとんどない。
ゼルネアスをタンク役に指定して残りの2体で猛毒とデバフを撒いて粘っていれば、エリートモード1500pt(ポケマス最難関コンテンツ)も比較的楽に達成できてしまう(無課金の筆者も達成できた)。
この「回復連打で相手の攻撃をひたすら受ける」動き、ポケマスでこんなに強いのだからポケモン本編のダブルバトルでも構築の参考になるはず。
しかしポケマスとダブルバトルではシステム上無視できない仕様の違いが1つ存在する。
それは「ダブルバトルではタンク役を指定できない」こと。なんと場にいる2体のどちらが攻撃されるかわからないのだ。さすが本編、難易度が高い。
Q. ではどうすればよいか?
A. 場の"全員"をポケマスゼルネアスみたいなやつにすればよい。
高耐久で回復技持ちのタンク役2体を場に並べることを目指した。
1体目は伝説枠から。誰を選んでも耐久は高いが、その中でイベルタルを選択。4倍弱点が無く、安定した回復技(はねやすめ)と、自身の能力に依存しないダメージソース(イカサマ)を両立できる。
2体目は一般枠から。できるだけ耐久の高いポケモンが良いが、その中でポリゴン2を選択。4倍弱点が無く、安定した回復技(じこさいせい)と、自身の能力に依存しないダメージソース(イカサマ)を両立できる。
試合終盤にイベルタルとポリゴン2を並べ、回復技で粘りながらダークオーライカサマとタイプ一致ダークオーライカサマで削りきることにした。
構築の軸が決定。
試合終盤にこの2体を並べるには序盤のダイマックス技の応酬をやり過ごさなけれればならない。初手の上からの高火力が厳しいので、3体目は即効性のある耐久バフ=いたずらごころ+両壁を加えたい。該当ポケモンの中で最も固いオーロンゲを採用。
4体目はダイマックス要員だが、ダイスチルとダイアースでポリゴン2やイベルタルの耐久をさらに強化したい。鋼・地面技を自然と採用でき、もともとイベルタルと相性補完が取れ、耐久デバフも無効で固いメタグロスを採用。
5体目は相性補完。イベルタルに物理で弱点を突いてくる白バドレックスとザシアンが重いと感じたため、その双方に強そうなヒートロトムを採用。
6体目はそれでも受けきれない超火力構築、要するに天候パの対策に当てたい。カイオーガ・グラードン軸は、双方ともダイストリームやキョダイゴクエンでポリゴン2が大きく削られる。なので、
・相手のリザードンの攻撃を耐えながら岩打点で倒せて
・グラードンにも打点があり
・一方でカイオーガの水技も耐えて
・さらに言えばちょっと重いレジエレキにも明確に有利が取れる
夢のようなポケモンを探していたところ、
ユレイドルが該当。本当か...?
構築を完成とした。
個別解説
特性:ダークオーラ
持ち物:たべのこし
性格:おだやか(穏やかなイベルタルって何だ...?)
努力値:H252D252 B4
実数値:233-135-116-151-165-119
技:イカサマ/はねやすめ/まもる/デスウィング
タンク役その1。終盤に出してポリゴン2と並んで相手を詰める。
タンク役としての能力は相当高く、試合最終盤にはねやすめを連打して相手ガオガエンをフレアドライブの反動ダメージで削りきって倒すみたいなこともできるレベル。
技は採用理由のイカサマとはねやすめは確定、相手ダイマや弱点技をやりすごすまもるも重宝した。バークアウトも欲しいがこのままだとエルフーンや格闘タイプに一方的にやられるのでデスウィングを採用。
火力無振りなのでデスウィングのダメージ量は抜群以外はあまり信用せず、イカサマまもるはねやすめがメイン。ダイマもあまりしない。なので相手のバクアやすてゼリフが痛くない。
持ち物はさらなる回復ソースを求めてたべのこしにしたが、対物理を考えてゴツゴツメットでもよさそう。
ポリゴン2
特性:ダウンロード
持ち物:しんかのきせき
性格:のんき
努力値:H252B252 D4 最遅
実数値:192-*-156-*-116-58
タンク役その2。終盤まで生存してイベルタルと並んで相手を詰める。 イベルタルと並ぶとイカサマの火力が上昇するのがうれしい。
物理相手にはB振りを生かして耐えつつイカサマ、特殊相手にはかいでんぱ。回復ソースのじこさいせいと強いS操作のトリルまであわせて確定。本当はまもるやまるくなるも採用したい。
特性は相手の無駄行動(ポリゴン2へのかいでんぱやバークアウト)を誘えるダウンロードにしたが自分の特性も無駄になっている。メリットも暴発のリスク(サンパワーとか)もあるトレースと選択。
オーロンゲ
特性:いたずらごころ
持ち物:ひかりのねんど
性格:しんちょう
努力値:H252D220 S36 S実数値84のガオガエン抜き
実数値:202-140-85-*-135-85
技:リフレクター/ひかりのかべ/ねこだまし/ソウルクラッシュ
壁貼り要員。
技は両壁は確定、ポリゴン2のトリルを補佐するねこだましも有力。最後はソウルクラッシュを選択した。ポリゴン2が強い特殊アタッカー相手にじこさいせい連打せざるを得ずかいでんぱが打てない時に、代わりに打ってポリゴン2の回復を間に合わせる。
本当はイカサマも採用したかったが技枠が無い。
この構築では貴重な対格闘打点持ちで、ごく稀にダイマックスする。
特性:クリアボディ
持ち物:いのちのたま
性格:いじっぱり
努力値:H252A252 D4
実数値:187-205-150-*-111-90
技:アイアンヘッド/じだんだ/れいとうパンチ/アームハンマー
ダイマックスエース。ダイスチルとダイアースで味方の耐久を強化しながらイベルタルとポリゴン2が苦手そうな相手を倒す。
基本選出だと高い火力を出せるのがメタグロスしかいないので、できるだけ高火力&広範囲を取るためにA特化で珠持ちのフルアタにした。
アイアンヘッドと地面技(今回は味方を巻き込まないじだんだ)は確定、通りの良いれいとうパンチも有力。しねんのずつきも欲しいが、このままではバンギラスへの打点が構築内に皆無なのでアームハンマーを採用。
特性:ふゆう
持ち物:ぼうじんゴーグル
性格:れいせい
努力値:H252C248 BD4 最遅
実数値:157-*-128-171-128-81
技:10まんボルト/オーバーヒート/おにび/まもる
白バドレックスやザシアンを見ながら晴れパも相手する枠。
技はオーバーヒート、電気技、相手ダイマを凌ぐまもる、白バドレックスに打ちたいおにびで確定。白バドレックスはガオガエンの裏から出てくることが多いので、積極的にガオガエン方向にもおにびを撒く。
トリルアタッカーとしても運用したいので最遅とした。
持ち物は相手のモロバレルを無視したいのでぼうじんゴーグル。ラムだと白バドレックスのきんちょうかんで食べ損ねることがあるらしい。
特性:よびみず
持ち物:とつげきチョッキ
性格:れいせい
努力値:HC252 B4 最遅
実数値:193-*-118-146-127-43
技:メテオビーム/ギガドレイン/だいちのちから/げんしのちから
岩草タイプのよびみず持ち。対雨だけでなく対晴れでも出していける。
特攻種属値が81しかないので火力に振り切り。できるだけ抜群を突いて攻撃したいが、天候パ相手に岩・草・地面の技範囲を持っているとかなりの確率で目の前の相手に抜群技を打てる。
最後の技は毒技やダイサイコ用のミラーコートでも良いが、今回は岩技をダイマ時と非ダイマ時で使い分けるためにメテオビームとげんしのちからを両立させた。
リザードンのキョダイゴクエンやカイオーガのダイアイスなど特殊技を受けることが多そうなのでチョッキを持たせた。
選出と試合の流れ
基本選出
先発:オーロンゲ+ポリゴン2
1:まずは両壁を貼りながらトリルを展開。
2:自己再生とソウルクラッシュで粘っていると大体オーロンゲが先に落ちる。
3:メタグロスのダイスチルとダイアースでポリゴン2の耐久をさらに強化、トリル2週目に入る。
4:メタグロスが先に落ちることが多いのでイベルタルを出して、はねやすめと自己再生で粘りながらダークオーライカサマで相手を削る。
対白バドレックス
先発:オーロンゲ+ヒートロトム
リフレクターとおにびで白バドレックスの攻撃を耐えた後に後続のイカサマかダイスチルで安全に倒す。威嚇とは異なりリフレクターもおにびもこちらのイカサマの威力が下がらないのが良い。
白バドレックスのじゃくてんほけんが発動していれば、ダイマックス中でもイベルタルのイカサマで倒せる。
先発:オーロンゲ+ポリゴン2
後発:ユレイドル+誰か
カイオーガを初手に出されたらオーロンゲをユレイドルに交代しながらトリル、そうでなければ壁を貼りながらトリル。
特にれいとうビームを持っていないカイオーガはユレイドルに雷しか打てないので置物になる。優先処理しなくてOK。
ユレイドル対カイオーガ、チョッキとダイアースとかいでんぱと半減が重なって凄い耐久になる #ポケモン剣盾 #NintendoSwitch pic.twitter.com/GCxAUE7qJu
— colon_pip (@SemColon) 2021年3月8日
ラス1は相手の取り巻き次第。カミツルギが重そうならヒートロトムを、ウーラオス等格闘が重そうだったらイベルタルを選出。
先発:ユレイドル+ポリゴン2
相手は初手晴れ要員+リザードンで来ることが多い。
相手視点だと遅くてあまり見なくて補助っぽいポケモン+ポリゴン2の並びに見えるので、キョダイリザでポリゴン2を倒しに来ることが多い。
そこでポリゴン2をヒートロトムに引いて炎・地面技を受けながら、ダイロックでキョダイリザを倒す。
対ザシアン
先発:オーロンゲ+ポリゴン2
後発:ヒートロトム+何か
不利。ヒートロトムを通したい。相手の炎対策に水ポケモンが入っていることが多く、メタグロスとイベルタルを差し置いてユレイドルを選出することもある。
戦績
ランクマッチダブル、シリーズ8シーズン16で使用。この文章を書いている3月7日時点で瞬間最高86位、その後も100位前後で推移。
筆者は今まで瞬間2桁をとったことはなく(最高で250位くらい)、序盤とはいえ初めて瞬間2桁を達成できたのでとても良かった。
まとめ
楽しい構築だった。かなり耐久に寄せているので構築の強みが分かりやすく、勝ち筋を意識した状態で試合に臨めるので、意外にも基本選出の使用感がギミック構築と似ていて使いやすかった。
このブログのタイトル(噴火・潮吹きの定理)は「猫指トリル 噴火潮吹き」というかつてのギミックの必勝パターンにちなんでいるが、今回の基本選出の「壁再生 イカサマイカサマ 羽休め」もそれに近いものを感じた。
一方で基本選出でない場合、主にイベルタルを選出しない試合は耐久に寄り切れているとはいえず、その代わりに大きなアド(ダイロックやおにび等)も取れていない場合(要するに対ザシアン)はどうしても厳しかった。
よりザシアンに厚くするならウルガモス、マルヤクデ、バシャーモあたりが候補だが対白バドレックスとの兼ね合いになる。
このように使っていて得手不得手やその理由がはっきりわかる(なんとなく負けた、があまり無い)こと自体は良いので、引き続きこんな使用感の構築を組みたい。