前置き
このタイミング(2023/5/21、PJCS本戦後、PJCS追加大会前)ですが、本構築はPJCS予選で使ったものです。悪しからず。
構築の経緯
予選第1回まで
PJCS予選のルールはレギュレーションCで、いわゆる四災が解禁された地方ダブル。まずは強そうなレンタルパを回したところ、以下が気になった。
バンギルガン+合体寿司+イエッサンハバタクカミ
後発でイエッサンとハバタクカミを並べ、眼鏡マジカルシャインで上から一掃する動きがとても手に馴染んだ。
バンギルガンの感触はそこそこ、寿司は(今まで一度も握ったことが無いため)まるで合わず。
バンギルガン+イエカミ+??
バンギルガンでは相手の威嚇と寿司が厳しいため、これらに相性が良さそうなテツノツツミを採用。また個人的に高耐久ポケモンのカタストロフィが強いと感じていたため、テツノツツミの火力を邪魔しないチオンジェンも採用した。
チオンツツミは割と謎の並びだが、回してみると思ったよりいい感じにゲームプランを立てられた。具体的には、
初手:チオンツツミ
テツノツツミはまもる。
チオンジェンはカタストロフィ。
2ターン目:チオンツツミ
前のターンにカタストロフィした方に、テツノツツミでフリーズドライorハイドロポンプ*1で倒す。
もう片方へチオンジェンでカタストロフィ。
中盤:イエチオン
テツノツツミが先に倒れるのでイエッサンから出す。
チオンジェンはカタストロフィ連打で、相手盤面2体を後発ハバタクカミのマジカルシャイン圏内に入れる。
イエッサンは可能な限りまもるを使い盤面に残す。そのうちチオンジェンが倒れる。
終盤:イエカミ
イエッサンは手助けorこの指。
ハバタクカミの眼鏡マジカルシャインで相手を一掃。勝ち。
いい感触があったのでこの並びで予選第1回へ。
先発バンギルガンorチオンツツミ
後発イエカミ
序盤から中盤にかけて勝ちまくった。なんと最初の26戦で22勝4敗という目を疑うような成績を残し、最高レート1763を記録。
そしてその後の10戦では1勝9敗というやはり目を疑うような成績を残し撤退。極端な戦績だが大きな手ごたえがあった。
本日のテツノカイナ pic.twitter.com/KApYgsz01z
— colon_everywhere (@SemColon) 2023年4月9日
大会で22-4から1勝9敗をかまして以降今日はヤケになっており、このようなイラストを描いていました
— colon_everywhere (@SemColon) 2023年4月9日
第2回まで
対戦記録アプリを見直したところ、対追い風でテツノツツミが上から殴られる展開にとても弱いことが判明。
当時の追い風はほぼファイアローだったため、バンギルガンのルガルガンにアクセルロックを仕込んで追い風させる前に倒し、これで対策とした。
その他は大きくは変えず、予選第2回へ。
先発バンギルガンorチオンツツミ
後発イエカミ
今度は1600に一度も達せず。残念。
第3回の直前まで
対追い風3戦全てでファイアローの追い風阻止に成功したものの、結局バンギラスが上から殴られて3戦全てで敗北。
バンギルガン選出時の勝率が5割(チオンツツミ選出時は62.5%)と振るわなかった。別枠で追い風対策を用意したい。
チオンツツミ+イエカミ+??
色々試行錯誤する中で、大会2日前に以下の追い風構築を発見。
先発日本晴れヤミカラス+イダイナキバorサーフゴー
後発テツノツツミ+ハバタクカミorイーユイ
今の構築に既にテツノツツミとハバタクカミがいるので、2つの構築を合体できそう。ヤミカラスとイダイナキバを採用。
実際に回してみると、追い風と同様上から殴ってくる天候系(これもチオンツツミだと厳しい)に強かった。一方肝心の追い風ミラーは微妙だったので、厚く対策するためヤミカラスにさきおくりを採用。
結果として、晴れ追い風のイダイナキバ軸とカタストロフィ連打のチオンジェン軸が同居するキメラみたいな構築が出来上がった。
相手が上から殴る系の時
(追い風、天候など)
先発ヤミカラス+イダイナキバ
後発テツノツツミ+ハバタクカミ
or
相手がサイクル回す系や先制技系の時
(イルカウインバレル、パオカイなど)
先発テツノツツミ+チオンジェン
後発イエッサン+ハバタクカミ
個体紹介
テツノツツミ
テラスタル:みず
持ち物:ブーストエナジー
調整:臆病CS252H4
チオンジェン軸では先発に出して、初手まもる→2ターン目にカタストロフィで削れた相手を倒す動きをする。これ以外の動きはほぼしない。特に初手は余計なことを考えずにまもる。
耐久無振りハバタクカミ程度ならカタストロフィ+ドロポン*3で倒せる。相手を上から倒すことで特殊耐久の薄さをカバーする。
物理耐久は災いのお札と合わせると結構固く、陽気パオジアンの聖なる剣程度なら67~80%とよく耐える。
イダイナキバ軸では、ハバタクカミと一緒に後発に出してスイーパーにする。ハイドロポンプ*4で相手をスイープできる場面では積極的に使っていく。躊躇していると経験上いつの間にか負ける。
チオンジェン
テラスタル:でんき
持ち物:こうかくレンズ
調整:おだやかH252D144S108 S実数値104
攻撃的でそこそこ固く、そこそこ速いチオンジェン。先発に出し、ひたすらカタストロフィを連打する。
チオンジェン軸では「目の前の2体がマジカルシャイン圏内に入った状態でチオンジェンが落ちてハバタクカミを出す」のが理想。なので、イカサマで目の前の相手を倒せる場合でもカタストロフィすることも結構ある。
残りの技はテツノツツミをサクッと倒せるリーフストーム、相手チオンジェンやモロバレルを抑える挑発。
とにかくカタストロフィを連打するうえに相方がハイドロポンプ*5を振り回すので、運負けを極力抑えるためにこうかくレンズを採用。リーフストームとも相性◎。
カイリューの飛行テラバーストをかなり誘うため、テラステルで半減したい。その中でも弱点が少ないでんきを採用。相手の初手カミイーユイに対しても積極的にテラスタルを切って等倍受けしていく。
実は物理鋼テラバーストで相手の無振りハバタクカミをワンパンするルートも考えていたが、隣のイーユイに焼かれるため泣く泣く不採用に。
結構速いのは、しびれごな採用時に相手ハバタクカミ抜き抜き調整をしていた頃の名残り。そのままでもHAカイリューの上を取れるので、S関係から相手の努力値振りを何となく想像できるのが良い。
イエッサン
テラスタル:ほのお
持ち物:防塵ゴーグル
調整:ずぶといHB252D4 S実数値103
割と普通のゴーグルイエッサン。グレンアルマと合わせなくても十分強い。
チオンジェン軸で基本的には後発で出す。
テツノツツミが倒れた後、チオンジェンの横に出す
→指ではなくまもるやサイキネを多用してチオンジェンが倒れるのを待つ
→イエッサンハバタクカミで一掃
という動きが基本。
サイコフィールドのターン管理には注意したい。イエッサンを出すのが早すぎると、ハバタクカミでスイープする頃にはフィールドが切れて先制技で縛られてしまう。
イダイナキバ軸では基本出さなかった。ヤミカラスと同時選出はさすがにパワー負けしそう。
防塵ゴーグルを持たせると対モロバレルで凄まじい強さを見せる。
Sラインについて、たまたまボックスにいた個体がチオンジェン-1だったのでそのまま採用。カタストロフィ→サイコキネシスでモロバレルをオボン貫通で倒したりしていた。
ハバタクカミ
テラスタル:フェアリー
持ち物:いのちのたま
調整:臆病CS252H4
チオンジェン軸・イダイナキバ軸の双方でスイーパーになる。
元々は眼鏡持ち。チオンジェン軸では防塵ゴーグルイエッサンと並べるため、催眠対策や先制技対策はイエッサンに任せて眼鏡で殴っていた。
ところがキメラとして入ってきたイダイナキバ軸では後発でテツノツツミと並べるため、単体で胞子やふいうち対策が急遽必要に。
スイーパーとしての性能をできるだけ落とさず対策を入れるため、珠みがわり型になった。
テラスタル:ゴースト
持ち物:しんかのきせき
調整:H252 BとDは実数値が両方82になるように振り分ける A下降
技:イカサマ/おいかぜ/にほんばれ/さきおくり
割と普通の晴れカラス。イダイナキバ軸で先発に出す。
対追い風やトリルをイダイナキバ軸に任せたいのでさきおくりを採用したが、イダイナキバの能力変化(威嚇やぶちかまし)をリセットできるくろいきりも欲しい。
イダイナキバ
テラスタル:みず
持ち物:とつげきチョッキ
調整:意地AD252S4
大会数日前に公開された晴れヤミカラス軸を参考にした。Dに厚くして特殊技を色々耐える。Sはちょっとでも振ると追い風時に最速ドラパルト抜きになるので振り得。
この構築ではイダイナキバ軸を対追い風・対天候で出したい。そこで元構築では炎だったテラスタルを水に変更。相手の
イダイナキバ(晴れや追い風によくいる)
ディンルーやテツノツツミ(雪)
水タイプ(雨)
バンギラス(砂、岩技も飛行テラバーストもある)
にできるだけ弱点を突かれず、半減で受けられるようにした。
代わりに鬼火ウインディがかなり厳しくなるが、ウインディでサイクルを回すような構築はチオンジェン軸で相手をすればよいので問題なし。
選出
対サイクル構築(特にイルカウインバレル)・先制技中心の構築
チオンジェン軸
先発テツノツツミ+チオンジェン
後発イエッサン+ハバタクカミ
構築の流れや個別解説で書いた通り、カタストロフィを連打しながらハバタクカミのマジカルシャイン圏内に入れていく。
テラスタルはチオンジェンが多い。初手で一致抜群技で削られそうな時はさっさと切ってしまう。
モロバレルや威嚇対策はイダイナキバ軸には無いので、できればこちらを出したい。
対イッカコノヨ
チオンジェン軸
先発テツノツツミ+チオンジェン
後発イエッサン+ハバタクカミ
苦手。
叩き以外+ビルドアップを願って初手まもる+イッカネズミへ挑発、次ターンにビルドアップをアンコールしてコノヨザルを裏に引かせたい。
対キラフロル入りかつ先制技のない相手、特に毒寿司
チオンジェン軸
先発イエッサン+チオンジェン
後発テツノツツミ+ハバタクカミ
カタストロフィ+サイコキネシスでキラフロルをさっさと倒す。ニードルガード持ち(いわゆるmumemo構築など)には集中を防がれるので普通にテツノツツミから出し、ニードルガードをアンコールする。
対追い風・天候
イダイナキバ軸
先発ヤミカラス+イダイナキバ
後発テツノツツミ+ハバタクカミ
目の前の相手を殴る。テラスタルはイダイナキバがほとんど。
予選第3回 結果
そこまで伸びず。
チオンジェン軸では18戦9勝9敗、イダイナキバ軸では20戦12勝8敗。
感想
毛色の違う2つの基本選出を1つの構築に入れてキメラにする、ということはいままでやったことが無かった。今回チャレンジできてある程度は手ごたえがあったのは収穫。ただ勝ちきれなかった。
負けた原因を探ろうとしたが、立ち回りで負けたような試合が多く、なかなか「これ!」という分かりやすい理由は見つからなかった。ドロポン*6外しが負けに直結した試合も無し。
一応チオンジェン軸では、予選第1回の途中までかなり楽に勝てた相手、すなわち
・物理技が主体
・追い風は使わずサイクルを回す
・最後は先制技で〆
の減少が考えられる。
イダイナキバ軸では練度が足りていないパターンがやや多かった(ハバタクカミに急遽入れたみがわりを上手く使えず負け、キバ軸とチオン軸のどっちを出すか迷ってキバ軸を出して負け、など)。
これを防ぐには、前者は「直前まで環境調査を行い、環境に通るような構築を選ぶ」、後者は「練度を上げる」が対策方針になる。
が、そのままだと両立するには「直前に全てをめちゃくちゃ頑張る」となってしまう。無理。
これを解消するには、「そもそも練度があまり必要ない構築」をいくつか用意し、環境に合った構築を本戦で使う、という方針が現実的になる。
練度が要らない構築というのは、おそらく、環境に少ない要素で相手の意表を突き、こちらの構築の欠陥を突かれる前に高火力で倒すような、ギミックの匂いがする構築。
これからも弊ブログでは、簡単で意表が突けるギミック寄りの構築を考えて記事を書き続けようと思う。