(ポケモンDLC新作鎧の孤島のネタバレが含まれます また画像が大量にあります 悪しからず)
話の流れ
ポケモンDLC新作の鎧の孤島が先日発売された。そこで「150匹のアローラディグダを見つける」というなかなか凄い遊び要素がある。
地面に埋まっているアローラディグダを頭のひげを頼りに見つけ出し、
ディグダのセリフを聞いて終了。これを150回繰り返す。
この要素の難しさや報酬などは色々な人が紹介しているので置いておいて、今回着目するのはディグダのセリフ。
やたら種類が多い上に、レポートせずに再起動して同じディグダのセリフを2度聞いてみると、
なんと同じ個体でもセリフが違う(表情も)。
ランダムなのだろうが実際何種類セリフがあり、どんなことを言っているのか気になったので、記事にまとめた。
大前提
本記事は英語ROMについて調べた。
そしてディグダの英語名は"Diglett"である。
手法
ディグダを150匹集める際に、ディグダに話しかけセリフが出た瞬間にSwitchで画面のスクリーンショットを撮って集計した。今回は一部2回以上の撮影や取り忘れがあったため、合計148匹のセリフ+1匹の固定セリフを撮影した。
セリフ集
結果から言うと、ディグダのセリフは"Da", ”De”, ”Di”から始まるものしかなかった(一部例外あり)。そのため、ここではアルファベット順に紹介する。
Daから始まるセリフ
Da!
日本語訳は不明。頻度は5/148。
賢明な読者は、5世代アニポケのデコロラ諸島編の番組紹介などで、正式名「ポケットモンスターベストウイッシュ シーズン2 デコロラアドベンチャー」の隣に"Da!"と大きく記されれていたのは覚えていると思う。
これはのイッシュ地方(アメリカ)からカントー地方(日本)に船旅で移動するというシリーズである。
モチーフは特に言及されていないが、アメリカと日本の間にある暖かい諸島という事で、当時は太平洋、ハワイやグアムかなと思いながらアニメを見ていた記憶がある。
時が流れ、7世代で本当にハワイモチーフの地方が生まれ、ディグダがアローラの姿になった。さらにその後8世代にて、ハワイアンなディグダに"Da!"というセリフが与えられたのを見て、個人的には少しだけ感慨深かった。
Da da dah!
日本語訳は不明。頻度は6/148。
3連続で同じ単語を発するのはディグダのセリフにおいて頻出である。
Daaaily!
日本語訳は「デイリー!」。頻度は4/148。
執筆時点(2020/06/20)では、鎧の孤島にデイリー要素(毎日ふしぎなアメが拾えるetc)があるかは筆者は知らないが、おそらく何かあるのではないだろうか。実際に本土のワイルドエリアには存在する。
Da-da!
日本語訳は不明。頻度は6/148。
Da-da!のように空白ではなくハイフンが含まれていることも多い。日本語訳だとハイフンの箇所は文字を詰めて、空白は空白として訳されていることが多い。
Da-da! Da-da!
日本語訳は不明。頻度は7/148。
Da!の繰り返しのDa-da!がさらに繰り返されているという構造は、繰り返しの多いディグダセリフの中でも珍しい。
Da-daaah!
日本語訳は不明。頻度は3/148。
「ジャジャーン」を英語にすると"Ta-dah!"となるためニュアンスがかなり近そう。
Dah-dah!
日本語訳は不明。頻度は3/148。
"Da-daaah!"にかなり近い表現。表情もランダムで可愛らしい笑顔になり、より「ジャジャジャジャーン」感がある。
Deから始まるセリフ
De! De! De! De!
日本語訳は「デ デ デ デ!」。頻度は5/148。
日本語だと!マークがひとつしかない。
"De"は英語によくある接頭辞で、"depress"(憂鬱にさせる) "decline"(衰える)など「下」「否定」にまつわる意味を持ちやすい。
ポケモンの技では"Defog"(きりばらい)がとても分かりやすい。
ただ個人的には"De"の二文字だと野球のベイスターズの略称に見える。ファンのディグダかな?
Dedede!
日本語訳は不明。頻度は4/148。
"De! De! De! De!"で4回繰り返した"De"をこんどは3回繰り返す。”De!”のみのセリフは無い。”Da”のような勢いも"Di"のような落ち着きも無く中途半端なためかもしれない。
カービィシリーズのデデデ大王の略称も"King Dedede"である。ファンのディグダかな?
Dedeeen!
日本語訳は「デデーンッ!」。頻度は5/148。
ほぼデデンネ(Dedenne)。「ジャジャーン」みたいなニュアンスは上記の"Da-dah!"の方が近いので、説明しようとするとどうしてもデデンネになってしまう。
デデンネvsディグダはタイプ相性的にディグダが有利と思いきや、種族値はデデンネの方が圧倒的に高い(デデンネ431に対しディグダ265)。特にディグダの防御種族値はH10-B30と全ポケモン屈指の低さ。
陽気デデンネのあなをほるダイアースでH252ダイマックスアローラディグダがおそらく50%の中乱数。
そのためデデンネが種族値の暴力的におそらく有利。ディグダ側はB振りを余儀なくされる。
Demiglas!
日本語訳は「デミグラッス!」。頻度は4/148。
デミグラスソースはアメリカでもイギリスでもなくフランス発祥の料理らしくやや場違いか。
”demi-glace”の"glace"は料理用語だと「煮詰める」だがもともとは「氷」の意味。アローラディグダよりもグレイシア辺りの方が似合いそう。カロス地方にもいるし。
Denet!
日本語訳は不明。頻度は2/148。
モチーフが分からないので説明に困っている。検索すると同名の会社がヒットする。
Diから始まるセリフ
Di... Di...
日本語訳は「デ...デ...」。頻度は8/148で最多タイ。
Diglettの頭2文字に当たる。ディグダのセリフでDi始まりのものは、このDiglettを色々もじったパターンが非常に多い。
ちなみに”Di”は英語によくある接頭辞で、"dis"という形にもなる。"disappointed"(憂鬱にさせる) など「否定」にまつわる意味を持ちやすい。
ポケモンの技では"Disable"(かなしばり)がとても分かりやすい。わざを「でき」「なく」させる。
一方「2」を意味する接頭辞でもある。日本語だが「ジヘッド」の「ジ」が分かりやすい。
Di...?
日本語訳は「デ...?」。頻度は2/148。
唯一?マークが入るセリフ。なんでだろうね?
Di chan!
日本語訳は「デッチャン」。頻度は3/148。
英語で!マークが入っているのに日本語では入っていないとても珍しい例。多分他にはないはず。"Di chan!"も「デッチャン」も意味がよく分からないこともあり神秘性が高いセリフ。
Di yasssa!
日本語訳は「ディヤッサァ!」。頻度は6/148。
日本の祭りの掛け声っぽいセリフ。"yassa"で検索すると日本のお祭りのほかに、古代モンゴルにおける「法令」の意味の単語、セネガル料理などがヒットする。おそらく英語ではないので、まず日本語セリフがあって、語感重視で英訳したものと思われる。
Dibyedi!
日本語訳は「ディバイディ!」。頻度は8/148で最多タイ。
日本語からだと”Day by day”「日々」のようにも見えるが、byでなくbyeだったりして定かではない。
Dida dida dida!
日本語訳はおそらく「デタデタデタデ!」。頻度は4/148。
"Dida"を繰り返しているが、"Dida"そのものは他のセリフには全く出てこない珍しい例。ここの不自然さからも、まず日本語セリフがあって、語感重視で英訳していそう。
Difuse!
日本語訳はおそらく「デタクナイ!」。頻度は7/148。
”refuse”「断る」の語頭を"Di"にしていそう。プレイ中に印象的なセリフと感じた人も多いのではないか。
実際この笑顔で断られたら困る。
Digiing!
日本語訳は「ディギーング!」。頻度は6/148。
正式なつづりは"digging"だがgが一つ抜けている。後ろの母音を伸ばすと前の子音が一部抜けるという話は聞いたことがないが、特に大した意味はない可能性もある。
Digle!
日本語訳は不明。頻度は5/148。
”Diglett”の最初5文字。日本語で「ディグ!」というセリフは無い。
Digleeettt daaa!
日本語訳は「ディグダ ダァーッ!」。頻度は6/148。
ほぼ日本語の直訳。日本語だとディグダの最後の文字「ダ」からつながるが、英語圏ネイティブだとどのように聞こえるのだろうか。
Digleev!
日本語訳は不明。頻度は2/148。
これもモチーフが分からない。ただ伸ばしている"e"が2つだけなのが珍しい。他のセリフは基本的には伸ばす音には同じアルファベット3つを当てている。
Diglett.
日本語訳は「ディグダ」。頻度は3/148。
唯一のピリオド付き。真面目な印象が強い。
Diglett ya!
日本語訳は「ディグダヤ!」。頻度は6/148。
英語版セリフで個人的には最も好き。日本語からやや不自然な印象を受けるので、このセリフは英語が先にあったのかもしれない。
ya!
Digtetaaah!
日本語訳は「ディグッテター!」。頻度は6/148。
これも日本語を直訳したような勢い重視の語感。多分英語には無いと思う...。
Diiibrooow!
日本語訳は「ディモグリッ!」。頻度は6/148。
”burrow”で「潜る」の意味なので、これの語頭に”Di”が付いた。語感的にも損なわれていない良い訳だと思う。
例によってrが1つ飛んでいるので、ディグダにはありがちな事なのかもしれない。
Diiig dig dig! Didin didin!
日本語訳は「デーン デンデン! デデン デデン!」。頻度は8/148で最多タイ。
唯一の長い2行セリフ。1行目では日本語の「デン」を"Dig"に対応させているが、2行目ではgがdになっている。この2つの子音は近いのだろうか。
Diitona!
日本語訳は「ディットナ!」。頻度は7/148。
モチーフ不明、伸ばしているiが2つしかないなど、”Digleev!”に近い雰囲気がある。
固定セリフ
Whassa!
日本語訳は「ファッサー!」。
1か所のみダグトリオが出現する場所があり、おそらくそこでの専用セリフ。
他のディグダからはこのセリフは(自分が見た限りでは)出てこない。またダグトリオのセリフを3回聞いたがそのすべてでこのセリフだった。
ディグダの表情もランダムではない可能性が高い。3回の試行ではいずれも、まず前の2匹が真顔で登場し、そのあとダグトリオの登場とともに笑顔になる、というパターンだった。
備考
対応する英語が不明な日本語のディグダのセリフは以下の10種。
「...デダ!!」「デアッター!」「デオチ!」「デグチィ!」「デターイ!」「デタデー!」「デタネー!」「デタヨー!」「デマシタ!」「デテキタ!」
考察
まずはセリフの種類について。今回はダグトリオの固定セリフを除くと、ディグダ148匹に対して29種類のセリフが確認された。
ダグトリオと合わせると30になりキリが良くなる点、日本語のセリフも29種類と思われる点、すべてのセリフが2回以上登場しており試行回数は十分そうな点から、ディグダがランダムでしゃべるセリフは29種類である可能性が高い。
セリフの頻度には多少ばらつきがあったものの、実際に頻度がセリフごとに違うのか偶然なのかは不明。もっとサンプル数を増やせば分かるのかもしれないが途方もない数が必要になる。
次に”Da”で始まるセリフに日本語訳が不明のものが多かったことについて。全7種類中6種類で不明だった。全体の29種類中10種類と比べると明らかに割合が高い。
結論からいうと、これは日本語の英語への直訳をあきらめた結果ではないかと推察される。
そもそもディグダセリフは「ディグダ」をもじったものが多く、さらに語頭の「デ」「ディ」は残されていることが多い。
これを英訳すると、それぞれ"De" "Di"始まりになり、直訳からは"Da"はとても出てきづらい。そのため、英語で完全に別のセリフとして設定されたと思われる。
そして「直訳されていない日本語のセリフ」については、備考欄に記してある。「デオチ!」など、「出る」にまつわる言葉遊びが非常に多い。
ここに英語の訳者が苦心して、結局できなかったのではないだろうか。実際、"Difuse!", "Diiiburooow!"など、日本語の意味をうまいこと英語に乗せられた例も一部存在する。
まとめ
・ディグダのセリフはおそらく29種類
・言葉遊びの翻訳は非常に難易度が高い
おまけ
トレーナーの横にいるディグダのセリフは以下の通り。
Dimo!
日本語訳は未確認。ディグダを集めている最中のセリフ。
Dispec!
日本語訳は「ディスペクッ!」。
respect+diでほぼ間違いない。specといえばポケモン的には"choice spec"。"spec"には「見る」という意味が入っているため、「メガネ」にも「再び見る→尊敬する」にも通じる。
日本語訳は「デゥゲザ!」。
唯一の"Du"で始まるセリフ、とても珍しい。もとは"together"。"Dogether"にならなかった理由は、おそらく"together"の発音が"o"ではなく"u"だったから。文字通りに読まない言語はややこしいね...。