噴火・潮吹きの定理

ポケモン対戦をいかにシンプルにできるか

”Dragon Ascent” はドラゴンタイプの技ではない

 

ことの成り行き

 

Mega Rayquazaを初めて使うぞ!

Xerneasに攻撃だ!

・Dragon ascent ←これ

・...

エッ ドラゴン技?ってなるが、飛行技「ガリョウテンセイ」なので心置きなく打って大丈夫。

 

・・・どんな経緯で違うタイプが技名に含まれたのだろうか?

 

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ガリョウテンセイ」の各言語での表記

 

日:ガリョウテンセイ 「画竜点睛」

英:Dragon Acscent 

独:Zenitstürmer 「天空のストライカー ?」

仏:Draco Ascension

伊:Ascesa del Draco

西:Ascenso Draco

韓:화룡점정(Hwaryong Jeomjeong) 「画竜点睛」

中(普通・台湾):畫龍點睛

中(広東):畫龍點睛

 

(出典(「」内以外):ポケモンwiki https://wiki.xn--rckteqa2e.com/wiki/%E3%82%AC%E3%83%AA%E3%83%A7%E3%82%A6%E3%83%86%E3%83%B3%E3%82%BB%E3%82%A4

 

 日本語にも「竜」が入っていることに、このタイミングで気づいた。

 

 日本、韓国、中国、台湾といったアジア圏では「画竜点睛」に近い表現があるのでそのまま採用されている。

 一方欧米各国では、ドラゴン+ascent「舞い上がる」のパターンがほとんど。ascentは技の動作そのもののイメージ(上昇した後、相手に向かって急降下)に合っている。ただ2単語中1単語(半分!)がDragonなので、少なくとも私にはドラゴン感が強く感じてしまう。

 その中ではドイツ語だけ特殊。Zenitが天頂や頂点、頂上の意味。stürmerがスポーツのストライカー、フォワードの意味。No ドラゴン

 

 以上をまとめると、

・動作:「上空からの急降下攻撃」 (飛行イメージ)

・日本語名:「ガリョウテンセイ」 (ドラゴンイメージ)

・欧米各言語では「ドラゴン○○○○」 → (ドラゴンイメージが強い)

・ドイツ語だけ飛行イメージで統一

となる。

 

 

推測

 

(この章は確実な情報ではないので注意)

1:レックウザの新技が飛行タイプの急降下攻撃に決まる

2:「ガリョウテンセイ」というかっこいい名前に来まる、ドラゴン感はここでは薄い

3:英訳がDragon ascentになり、ここで初めてドラゴン感が増し、ギャップが出る

(4:ドイツ語訳者はこのドラゴン感を避け、飛行イメージに統一する)

といった経緯だろうかと妄想できる。もちろん正しい保証はない。

 

 

おまけ:他の例

 

技名とタイプが乖離したほかの例を挙げる。

 

慣用句:日本語の文字からタイプが決まる

「じだんだ」(Stomping tantrum, 踏み鳴らす癇癪) 慣用句の「地」イメージが、英語では薄い。

「とんぼがえり」(U-turn) 慣用句の「虫」イメージが、英語では無い。

 

専用技:特定のポケモンの特定のイメージから技のタイプが決まる

「ジオコントロール」(Geomancy, 砂占い) 「ジオ」が地面っぽいが、日本語は正直よくわからない。英語は地面+フェアリー。

スケイルノイズ」(Clanging scales) 動作だけ見ると別にドラゴンである必要性はない。

 

 ガリョウテンセイは、日本語はレックウザの「飛行」イメージに引っ張られ、慣用句の「竜」を無視している。英語は両方に引っ張られている。なんたるややこしさか

 

その他:

「いわくだき」(Rock smash) 岩を砕くので格闘タイプ。遠まわしだが名前も動作も格闘で統一。

かまいたち」(Razor wind) 名前も動作も飛行っぽいのにノーマルタイプ。