ごあいさつ
これまでこのブログでは7世代・8世代ダブルバトルを中心に扱ってきましたが、この度6世代(ORAS)でトリプルバトルを始めました。
TNはHelicopter*1です。マッチングした際はよろしくお願いします。
構築の経緯:初心者偽装
けだまメモchのトリプル勢ミラクル交換会で5VS0冷静メタモンを引き当てたところからスタート。大当たり *2。
筆者はアルファサファイアのソフト購入から始めているので資産的にもかなり貴重。初のトリプル構築はトリパを組むことになった。
そしてトリプルのトリパと言えばがむしゃら。筆者は7世代ダブルでもがむしゃら構築を組んだことがある(以下の記事)ので、本場のがむしゃらも一度は体験してみたい。
そこでがむしゃら可能ポケモン一覧を眺めていたところ...
スバメが目にとまった。
スバメは特性きもったまでゴーストタイプにがむしゃらできるポケモンだが、他にもいろいろな強みがある。今回注目するのは以下の3点。
・無効耐性が2タイプもある!
トリプルだと無効耐性を利用して低レベルポケモンを後出しすることがあるらしい。筆者はダブルではやったことがないので体験してみたい。
・ファストガードを覚える!
相手から飛んでくるねこだましを防いでトリルエースを動かす回数を増やせる。7世代ダブルのトリパで相手のねこだましに苦しめられた&女王の威厳アマージョの強さを実感した身としてぜひとも使ってみたい。
・104ばんどうろに出現する!
ORASでの再序盤に出て来る。がむしゃらを使う場合必然的にレベルが下がることも含め、いわゆる「旅パ偽装構築」ともシナジーがある。本物の旅パならだいたいオオスバメに進化しているが...
ここで旅パ偽装すなわち初心者偽装について補足。注意が必要な点として、「トレーナーネームが相手に知られていると(初心者ではないと分かるので)偽装が成り立たない」というものがある。つまり新しいロムが必要なのだ。
筆者は今のところサブロムを買う予定はないため、初心者偽装をするにはメインロムのトレーナーネームが全く知られていない今が絶好の機会、というか今しかないのである。
以上から、初心者偽装に適したタイミングで初心者偽装に適したスバメを使って構築を組むことに決めた。
唯一の懸念は、筆者が本当にトリプルの初心者だという点である。
構築の経緯:本当に初心者なので
「旅パ偽装構築」というと、
・御三家が入る
・持ち物無しポケモンが1体は入る
・レベル49未満が2体は入る
・ORASのストーリーで出てこない・入手しづらいポケモンや通信進化勢等は入らない
のような要素が必要になる。
ただでさえトリプル初心者なのにこんな縛りを入れて何も考えずに構築を組むと、"ポケモンが6体集まった無秩序な何か"を生成する可能性が非常に高い。
これを避けるためには、構築を組む上での秩序、というか型を意識する必要があると考えた。
ギミック構築の型としてはいわゆる「猫指トリル 噴火潮吹き」*3があるが、今回使うのはがむしゃらトリパ。この場合どんな型になるかをもう少し突っ込んで考える必要がある。
まずはがむしゃらトリパに必要そうな要素を挙げる。
・がむしゃら
・高火力な範囲技持ちアタッカー
・トリルサポート(ねこだまし、このゆびとまれ、いかりのこな)
・ワイガ対策(横取り、フェイント)
がむしゃらトリパの構築記事をいくつか見た感じでもこれらの要素は大体どれにも入っていた。ちなみにスバメのファストガードは記事ではあまり見かけず。「型の要素」と言えるほど一般的ではなさそう。
次にこれらの要素について、ORASの殿堂入りまでのストーリーで入手できそうなポケモンを見てみる。
・がむしゃら
スバメ。他にも覚えるポケモンはいるが、低レベルがむしゃらを2体以上入れている記事は見つからなかったのでスバメのみで確定。
・範囲技
しおふき:ホエルオー
スキンハイパーボイス:メガサーナイト、メガチルタリス、メガボーマンダ
その他色々
多くのポケモンが該当するが、種族値の高いメガシンカポケモンはこの枠で採用したい。正義の心ギミックのような味方殴りをする余裕は無いかも。
ユンゲラー、スターミー、ネイティオ、キリンリキ、サーナイト、ブーピッグ、パッチール、ルナトーン、ソルロック、ネンドール、カクレオン、ジュペッタ、サマヨール、チリーン、エルレイド
トリル要員としては速めのポケモンが多い印象。ねこだまし無効はユンゲラー、キリンリキ、ジュペッタ、サマヨール。
・トリルサポート
ねこだまし:ライチュウ、ルンパッパ、ダーテング、ハリテヤマ、ヤミラミ、チャーレム、パッチール、カクレオン
このゆびとまれ・いかりのこな:無し
指と粉が0なのが厳しい。器用で火力も高いハリテヤマ、トリルも覚えるカクレオンやパッチール、相手のねこだまし無効で悪戯心持ちのヤミラミが候補。メガガルーラより速く退場技が使えるライチュウも優秀だが、ORASのストーリーではかみなりのいしが貴重だったような...?
・ワイガ対策
フェイント:ライチュウ、カイロス、ヘラクロス、エアームド、バシャーモ、キノガッサ、ハリテヤマ、チャーレム、サメハダー、ナックラーフライゴン、ザングース、カクレオン、アブソル、エルレイド
よこどり:プリンプクリン、クロバット、ユンゲラー、グラエナ、サーナイト、キノガッサ、ヤミラミ、クチート、マルノーム、ブーピッグ、カクレオン、ジュペッタ、サマヨール、チリーン、アブソル、ハンテール、エルレイド、ユキメノコ
ワイガ対策だけでは採用しづらく、他の要素も兼ねているポケモンの採用が望ましい。
この中からメンバーを採用する。
構築の経緯:メンバー決定
以上を見るとトリルサポートの選択肢がかなり少ないので、ここからメンバーを考えたい。
がむしゃらトリパはトリルが無いと戦えないため、とにかくトリルの成功率を上げるためねこだまし耐性や催眠耐性が欲しい。そこでサポートとして、ねこだまし無効で相手のモロバレルやドーブルを挑発で止められるヤミラミを採用。
ただヤミラミ自体の素早さは低いので、トリル役にもねこだまし耐性が求められる。ねこだまし無効で固くて遅いサマヨールを採用。
また指や粉でサポートできない以上、サポート2枚よりもトリックルーム2枚の方が安定すると考えた。トリックルーム要員の中で最も高火力な範囲攻撃を使えるメガサーナイトを採用。よこどりも覚える。
次に範囲攻撃ポケモンを決めたい。メガ枠を使わない高火力範囲技持ちで、かつトリル下でモロバレルに強い(≒催眠耐性持ちの)コータスを採用。メガバクーダと違い初手から遅いのも利点。
ラスト1枠だがこの構築は旅パ偽装、まだ御三家を採用していない。ジュカインバシャーモラグラージの中で最も強力な範囲技を使えて、かつ横取りフェイントを覚える器用なポケモンと言えば...
オウムがえし噴火バシャーモである。
これで6体が揃った。旅パ偽装なのでヤミラミとサマヨールのレベルを少し下げて構築を完成とした。
個体紹介
レベル:3(ORASの野生で出現する最小レベル)
持ち物:きあいのタスキ
特性:きもったま
調整:HP実数値15の個体を厳選
この構築の発端。がむしゃらをゴーストタイプに当てられるので、コータスの噴火で倒しづらいブルンゲルを削ったり、ファストガードでねこだましからコータスを守ったりできる。
またノーマルタイプなのでゴースト技に後出しができる。幸いにもこの構築にはサマヨール・サーナイトとゴースト弱点トリル要員が2体もいるので初手の端に両方出して、相手ゴーストタイプと対面した方にスバメ後出し・もう片方でトリルという芸当ができる。
強そう。
レベル:15(スバメのHP実数値と同じ)
持ち物:なし(旅パ偽装なので)
特性:いたずらごころ
調整:Sは最遅コータス-2
ねこだましを覚え、ねこだましに耐性があり、催眠対策が可能で、旅パ偽装らしくレベルを下げても運用でき、旅パ偽装らしく持ち物無しでも運用できる非常にありがたいポケモン。
スバメと並んだ時に圧力が無いのが気になったためレベルをスバメのHP実数値と同じ15に調整。こちらを放置してくる相手をがむしゃら+ナイトヘッドで倒せるようにした。
強そう。
レベル:39(Sを最遅コータス-1にするため)
持ち物:しんかのきせき
特性:プレッシャー
調整:なまいき最遅 H252B100D156 トリプルwikiと同じ
技:トリックルーム/ナイトヘッド/にほんばれ/よこどり→おきみやげ
固い。固いので実はレベル39でも運用できるのではと思い構築に入れた。固いうえにレベルが低いので放置されることが多く、対策の自主退場技としておきみやげを採用した。
サマヨールをレベル50, コータスのSを少し上げてサマヨール+1と調整することもできるが、この場合メガバクーダに下を取られてしまう。
特性については、お見通しが夢特性だと失念していた夢特性のお見通しは旅パでは採用しづらいのでプレッシャーで採用。レベルと合わせて旅パ感を演出している。
さすがにレベルが高い方が強そう。
レベル:50
持ち物:サーナイトナイト
特性:トレース→フェアリースキン
調整:冷静最遅 H252B116C140 トリプルwikiの調整からSをCへ振り替え
技:ハイパーボイス/まもる/トリックルーム/サイコショック→よこどり
メガ枠。S種族値100は一見めちゃくちゃ早く見えるが、ミミッキュよりわずかに速い程度だと考えるとあまり気にならなくなるかも。
メガした最初のターンは素のサーナイトのS種族値80が適用される。そのため、初手のトリルターンにはメガせず、攻撃に移る2ターン目にメガして遅めのハイパーボイスをするのも手。
順当に強そう。
レベル:50
持ち物:もくたん
特性:ひでりしろいけむり
調整:冷静最遅 HC252D4
技:ふんか/ねっぷう/だいちのちから/ストーンエッジ→ソーラービーム
噴火要員。手動日本晴れをスバメヤミラミサマヨールの誰かで行うことで、7世代さながらの高火力を出せる。
サマヨール岩石封じ+コータス弱点保険でも良かったが、旅パ偽装構築であまり凝ったことはしない方がいいと考え木炭を持たせた。
当初は対ファイアローにストーンエッジを入れていたが使う機会がなく(げんしのちからは剣盾から)、トリトドンやアバゴーラ(後述)に刺さるソーラービームに変更となった。
晴れていれば強そう。
レベル:50
持ち物:くろいてっきゅう
特性:もうか
調整:冷静最遅 HC252D4 S実数値33相当
技:オウムがえし/ねっぷう/きあいだま/フェイント
めちゃくちゃ遅いバシャーモ。旅パ偽装がむしゃらトリパである以上、トリルが切れた後に勝ち筋を残すよりもトリル中の勝ち筋を太くした方が勝率がよいと判断した。
コータスのふんかをオウムがえしするのが理想。あまり凝ったことはしない方が良いとコータスの欄で書いたこともあり、オウムがえし不発時の保険としてねっぷうも採用した。
きあいだまはH振りヒードランを高乱数。フェイント要員にもなれる。もらいびシャンデラには手が出せないのは注意。
強そう...強そう?
動き
ねこだまし→トリル→がむしゃら+全体技という型通りの流れを目指す。後発のアタッカーはバシャーモよりコータスを先に出す。
ここまで考えていざ初めてのトリプルフリーへ。実際に回してどうなったかというと...?
戦績
ORASトリプルフリー 5勝12敗
勝ちはあったものの反省会の雰囲気漂う結果となった(フリー対戦なのであまり勝敗数を気にしなくても良いかもしれないが)。
なお5勝のうち2勝はレベル30台キマワリ入り、1勝は虫鋼統一が相手だった。
感想
結局、初心者が初心者偽装をするとどうなったのか?
→順当に不利
旅パを偽装したからと言って相手のプレイが油断したり驚いたりで揺らぐかと言えば別にそんなことは無く、よくありそうなトリパ対スタンの展開となることが多かった。使えるポケモンに制限のある旅パ偽装に有利な要素はあんまり無い。
じゃあ今回の構築がまるで無意味だったかというとそうでも無い。がむしゃら入りトリパに必要な要素について自分で考えることができたのが収穫。
どう動くべきかをある程度整理できていたので、例えば負け方も「構築の根本的な動きがおかしい」ではなく「ポケモンの数値が低くて押し負けた」という感じだった。
ポケモンを広いプールから選べば、またレベルをあげれば改善できると感じられたが、それは旅パ偽装・初心者偽装ではなくなるので記事を公開した。
以下は個別のふりかえり。
旅パ偽装について
・誰にもトレーナーネームを知られてない状態で潜った効果はあった?
→ なし。トリプルフリーの人口が多いせいか、知り合いとのマッチングも特に発生せず、トレーナーネームを公開した状態と大差なかった。
余談:実際、今のトリプルフリーの規模は想像以上に大きかった。USM発売以降のSMレート*4等と比べるとかなり人が多く感じられる。
スバメについて
→そもそも12戦やって一回もトリル中にねこだましされなかった。
ただしふいうちアクジェ水手裏剣など他の先制技がバンバン飛んでくるし、サーナイトやバシャーモが相手ファイアローのブレバを強烈に呼ぶので、その対策にはなった。
・ゴースト技を読んで後出しできた?
→成功せず。環境のゴーストにはギルガルドが多く、あろうことかサーナイトが鋼弱点なため、目の前のギルガルドが霊鋼どちらで攻撃してくるか分からなかった。他のトリル要員なら大丈夫か?
・きもったまがむしゃらをゴーストに当てた?
→当てた機会はなかった。が、うまいことブルンゲルにマッチすれば効果的な場面を作れたかも。きもったまを意識せずがむしゃらとファストガードするだけでもある程度強かった。
ヤミラミについて
→その2体は一度も並ばず、ヤミラミのレベル15調整が生きることは無かった。レベルを上げて持ち物を持たせた方が強い。
サマヨールについて
・トリルは成功した?
→レベル39でもある程度成功した。相手のレベル50シュバルゴのはたきおとすをギリギリ耐えるなど、基本的にサーナイトより信頼度は高かった。無理なもの(弱保シャンデラのシャドーボール、突然のほえる等)はレベル50でも無理そうだった。
コータスについて
・モロバレルを焼けた?
→一回もマッチングしなかった。が、だからといってモロバレルへの警戒を解いてはならないと思う。
バシャーモについて
・オウムがえし噴火できた?
→あまりできなかったが、成功した1試合では勝ちにつなげることができた。コータスが先に落ちるとオウムがえしできないのでコータスを守りたいが、このゆび・いかりのこなを使えない環境では難しかったかも。
・フェイントでワイガ対策できた?
→できたが、弱かった。これは単純な話で、火力担当がフェイントするとダメージレース的に不利になる。そのため「サポート役がフェイントも使える」のが望ましい。ねこだましとフェイントを両立するカポエラーが強い理由が良く分かった。
サーナイトについて
・トリル下での範囲アタッカーの役割を果たせた?
→微妙なところ。等倍や対ドラゴン打点としては十分だが、コータスやバシャーモの炎打点と合わせても炎タイプへのダメージソースに欠けるきらいがあった。一般的なバクーダニンフィアトリパのトリル役としてブルンゲルが採用されることが多い理由が良く分かった。
・よこどりでワイガ対策できた?
→こちらもそこまで強い動きではなかった。トリル下でアバゴーラのワイガ警戒横取りを押したらからをやぶるを押し付けられるという事件も発生した(大敗した)。
まとめ
箇条書きにするとこんな感じ。
・初のトリプル構築を一から作って、がむしゃらトリパに必要な要素を把握できた。
・スバメは強かった。
・そのほかのポケモンについてはレベルが高い方が強い、縛りが無いほうが強いことが分かった。
トリプルフリーそのものは面白そうなので、これからも構築のアイディアがあれば潜っていきたいと思う。