構築の流れ
前回も採用したがそもそも低レベルポケモンが3体もいる構築だったため、お世辞にも勝てたとは言えなかった。
その反省を生かして今回は全員レベル50とし、さらに強い構築を参考にしてコータスを十分に活躍させたい。コータスと役割が似ているポケモンで強い構築に入っているポケモンと言えば...
メガバクーダである。
両者ともにSが20で、強力な炎全体技を使うトリルアタッカー。そして幸いにもメガバクーダトリパはトリプルwikiにサンプル構築が掲載されている。
メンバーはメガバクーダ、ニンフィア、ブルンゲル、モロバレル、カポエラー、ドーブル。今回はこの構築を参考にしたい。
まずコータスについて、当然ながらメガバクーダの方が単体性能は高い。一方でコータスの強みはメガ枠を消費しないこと。他のメガ枠を採用できるのだ。
もちろん空いたメガ枠にメガバクーダを入れて全てを噴火させても良いのだが、雨パに蹂躙されそうだったので今回はなし。
ここで参考元の構築に戻ると、トリルサポートが3枚いる。今回はこのサポートを1枠メガシンカポケモンにしたいので、ねこだましが使えるポケモンを選びたい。
該当するのはメガカメックスとメガガルーラ。だが、メガカメックスは技範囲が後述のブルンゲルと被りそうなので、今回はメガガルーラを採用した。
その他のポケモンは、まず貴重なトリル&しおふき両立要員のブルンゲルは採用したい。
このままでは雨パに弱そうに見える。そのため水等倍だが雨パに強いとの噂があり、火力があって参考元構築にもいたニンフィア採用。
残り2枠はサポート。まだ対雨パに不安があったので、1枠はモロバレルに使った。
ラスト1体はねこだましとフェイントと使えるポケモンにしたい。元構築ではカポエラーだが、ファイアローが重そうに見えるので別のポケモンを使いたい。
・ねこだましとフェイントを覚えて、
(ライチュウ系、ペルシアン系、バルキー系、ドーブル、ハリテヤマ系、ヤミラミ、チャーレム系、カクレオン、ゴウカザル系、ドグロッグ系、マニューラ系、コジョンド系)
・飛行弱点ではなく、
(ライチュウ系、ペルシアン系、ドーブル、ヤミラミ、カクレオン、マニューラ系)
・ファイアローを倒せて等倍にもそこそこ通る打点がある...
(ピカチュウ)
ピカチュウを採用。
これでコータス、メガガルーラ、ブルンゲル、ニンフィア、モロバレル、ピカチュウの6体。
範囲アタッカー・汎用サポート・メガガルーラ、というメガバクーダトリパにメガガルーラをねじ込んだ感じの強そうなメンバーが揃った。
(本当か?)
個体紹介
コータス
持ち物:もくたん
特性:しろいけむり
調整:冷静HC252D4 最遅
技:ふんか/ねっぷう/だいちのちから/ストーンエッジ
火力はメガバクーダに一回り劣るものの、デバフ無効が地味にありがたい。
相手はコータスのことをメガバクーダだとは思っていないためか、割と放置されがち。そのためメガバクーダと異なりまもるが必要な場面が少なく、技枠が1つ余る。
その空いた1枠に今回は岩技を採用。ファイアロー対策をピカチュウに一任するわけにはいかないため。げんしのちからは剣盾から習得なのでストーンエッジ、威嚇無効がやっぱりありがたい。
ガルーラ
持ち物:ガルーラナイト
特性:きもったま→おやこあい
調整:いじっぱりHA252 D4
初手から出してトリルサポート、というよりはスイーパー的運用が多い。威嚇が回らない終盤戦で出すメガガルーラは強い。
トリル下でも非トリル下でも動かせるように、S無振りで下降補正にはせず、ふいうちを持たせた。
ブルンゲル
持ち物:ラムのみ→ナモのみ
特性:のろわれボディ
調整:冷静HC252D4 最遅
しおふき&トリックルーム要員。
HPか削れた時にじこさいせいで粘るよりは、トリルターンを無駄にせず目の前の相手を削りたい。そのため代わりにねっとうを覚えさせた。
後ろにスイーパーとしてメガガルーラが控えているのでトリル下で倒されても問題ない。
持ち物は最初は相手の催眠対策にラムのみを持たせた。が、今のトリプルフリーでは眠りよりも悪技やゴースト技でブルンゲルを倒すことでトリル対策をしている相手の方が多く感じる。どちらかというと悪技の方が多い感じがあるため、ナモのみ(悪半減)の方がよさそう。
Sはニンフィアと同速だが、相手の最遅ギルガルドにトリル下で先に倒されたくないため最遅にした。
ニンフィア
持ち物:せいれいプレート
特性:フェアリースキン
調整:冷静HC252D4 最遅
Sはブルンゲルと同速だが、相手の最遅ギルガルドにトリル下で先に倒されたくないため最遅にした。
モロバレル
持ち物:バコウのみ
特性:ほうし
調整:なまいきH252B100D156 最遅
技:キノコのほうし/いかりのこな/ヘドロばくだん/ギガドレイン
汎用サポート枠。
雨パ相手には打点も持ちたいので、草技と毒技(対ルンパッパ)の両方を持たせた。まもるも欲しい。にほんばれはブルンゲルの火力が下がるため微妙なところ。
持ち物はファイアローに倒されないためにバコウのみ。
ピカチュウ
持ち物:でんきだま
特性:ひらいしん
調整:冷静BC252 H4 最遅
汎用サポート枠候補。
ねこだましとフェイントを両立するポケモンは格闘タイプが多くファイアローに不利をとりがち。
それに対してピカチュウは飛行半減。耐久種族値が低すぎでは?という最もな疑問もあるが、低すぎるのが原因でBに252振っただけで物理耐久が1.5倍くらいになる。
ファイアローのハチマキブレバやメガガルーラのふいうちぐらいなら耐えるのだ。
もちろん火力も高く等倍相手もそこそこ削れる(ゴチルゼルを半分くらい)ため、放置されても圧力をかけ続けることができる。S実数値は85で、追い風パのニンフィアくらいなら下から10万が打てる。
そしてBに振ったからと言って滅茶苦茶固いというほどでもないため、攻撃してくる相手に対しては迅速に倒される。後続のニンフィアやコータスに繋げられるのだ。
もしピカチュウよりモロバレルが先に倒され、ピカチュウのとなりに範囲エースが並んだら、てだすけやフェイントで支援できる。
これだけ色々できるのだから、特性ひらいしんの活用を意識せずとも汎用サポートとして構築に入るのでは?と考えた。
とはいえ
そもそも筆者は初心者、ねこだましサポートについてピカチュウ以外何も知らないという状態はさすがに偏りすぎている。
そこでピカチュウの代わりに、ねこだまし・フェイントを両立し、サポートとして使用率が高そうなヤミラミとドーブルも試してみた。
ヤミラミ
持ち物:脱出ボタン
特性:いたずらごころ
調整:しんちょうH252B100D156
汎用サポート枠。
トリルを確実に成功させるためねこだまし無効のねこだまし要員が欲しくなり採用。とはいえ、不意のほえるやふきとばしにはトリルを妨害されたことも多々あった。
ピカチュウより固いため、迅速に場から退くために脱出ボタンを持たせた。
さきおくりがとにかく強く、トリル解除後も上から縛れる他、トリル下で相手の最遅弱保レジロックより先にブルンゲルの潮吹きを当てるという場面もあった。
ドーブル
持ち物:こだわりスカーフ
特性:ムラっけ
調整:ようきBS252 H4
汎用サポート枠。
トリルを確実に成功させるためドーブルが欲しくなり採用。とはいえ、初手ダークホール外しでトリルを失敗することも稀にある。
スカーフダークホールはもちろん、スカーフで相手のねこだましを上にとっても強い。他の技はほぼ使わなかった。
初手で倒されなかった時には一旦引く必要があり、トリルターン的にはやや悠長というか無駄がある。が、この時は控えにメガガルーラとドーブルが両方いる状態。トリルが切れた終盤戦にスカーフダークホールしながらおやこあいできるメリットも非常に大きいので、これはこれで良い。
筆者はこの構築で初めてトリプルでドーブルを採用したが、実際に使ってもやっぱり強かった。
選出と流れ
先発:
後発:
だいたい毎回こう出す。初手中央はモロバレルのことも多かった。
相手がトリパでなかったらトリル最優先。トリル成功後は範囲技を押し付けて威嚇が回らない程度まで残数を減らし、最後にメガガルーラで締めることを目指す。
トリルが失敗すると苦しい。スカーフダークホールやさきおくりで何とかできれば。
トリパや怪しいギミック等で相手の初手が遅めならトリルをせず、モロバレル等で妨害しながらハイパーボイスやしおふきを上から通す。
使用感
バトルビデオに記録が残っている範囲で21勝7敗。できるだけBVに残すようにしたので実際の勝率も大体あっていそう。
特に対トリパが強かった。トリル下ではモロバレルが、非トリル下ではメガガルーラがほぼ全ての相手に先制できるので動きやすい。
メガガルーラ
そもそもベースがトリプルwikiのサンプル構築なので強くはあるが、これに(多少無理やりだが)メガガルーラを加入させてパーティーパワーが落ちるということはもちろんなかった。
個人的には威嚇の多い環境で物理アタッカーを扱うことに苦手意識はあったのだが、トリプルなら最後のポケモン(=メガガルーラ)を出すときには相手も3体倒れて威嚇が回らなくなっていることが多いため、扱いやすく感じた。
コータス
相手にマークされていないというのが感想。メガバクーダのように相手に一撃で大ダメージを与えることは少ないが、相手が隣に気を取られている間に地味に削り、いつのまにかハイパーボイスや親子愛ふいうち圏内に入っていることが多かった。
ピカチュウ/ヤミラミ/ドーブル
勝敗の内訳と敗因は以下の通り。勝率だけで見ると大差ない。
ピカチュウ 9-4
敗因:トリル封印、吠えるでトリル失敗、相手が固くトリル下で攻めきれず、キザン叩きでブルンゲルきぜつ
ヤミラミ 4-1
敗因:ガルドシャドボでブルンゲルきぜつ
ドーブル 8-2
ダクホ外し→カットムのリフストでブルンゲルきぜつ、恐るべきアルセウス構築*2
敗因を見ると、この枠はトリルさえ成功すれば問題ないことが分かった。
ピカチュウは上からねこだましされてトリルに失敗したケースがあり、その意味では他と比べて若干劣る感がある。ただヤミラミやドーブルでも相手の対策が厚い時はトリルに失敗しており、相手依存の面も強い。
一方トリル成功後は全員問題なく、それぞれの強みを生かして動けた。ピカチュウは自分の打点と手助け、ヤミラミはさきおくり、ドーブルはトリル後のダークホール。ちなみに「ピカチュウがファイアローを処理して勝ち」みたいな試合は無かった。
以上からピカチュウは、「ファイアローに強いから採用!」みたいなノリの汎用サポート第一候補ではないが、全くダメでも無く、パーティに入れたら及第点の活躍はできるポケモン、という感じだった。結論が渋い。
ひらいしんや電気打点が特に必要な構築にはピカチュウはどんどん入っていけると思う。
その他のトリプルwikiのサンプル構築の面々(ブルンゲル、ニンフィア、モロバレル)はカタログスペック通り強かった。今回は癖のないトリパだったので、次はもう少しギミックに寄せた構築も試してみたい。